【生徒会】平成28年度 芸術鑑賞 感想文
2016.09.21

20160713 芸術鑑賞感想
平成28年度 芸術鑑賞 感想文(7月13日 米原文化産業交流会館)
『おぐりとてるて ~小栗判官説経節照手姫より~』オペラシアターこんにゃく座

〔3年アカデミーコース Mさん〕
今回初めて、オペラを観て、目の前で舞台が作られていく臨場感に感動しました。最前列で見せていただけたので、俳優さん達の表情、所作、そして息遣いまで感じることができました。そのために劇とは演じることと言うよりは、その人になりきるということなのだと実感しました。歌の部分では、声が互いにかき消されることなく、一人一人の声が周りと調和しながら聞こえてきました。歌うことで感情表現が豊かになるのだなと感じました。

ストーリーは簡単に言ってしまえば、照手姫の純愛物語です。一心に小栗のことを思い続ける気持ちが二人を再び引き合わせました。そのような乙女らしい一面を持つ照手姫ですが、たくましい一面もみられました。遊女になることを拒み、たすきをゆるめる暇もなく動き続ける姿。そして、餓鬼阿弥を一生懸命引く姿。それらは、本当にたくましく、「生きる力」を感じました。やはり愛にはそのような力があるのだと思います。愛にもいろいろな種類はありますが、一番大切なのは親からの愛情ではないかと考えます。親、そして家族から愛情を持って育てられることで周りの人を思いやる心が育まれるのではないでしょうか。そしてそのことは、一人の人間の一生を決めることだと思います。選挙権の年齢も引き下げられ、大人になるということが近づいてきているように感じます。周りの人に愛情を持って接し、そして自分が親になった時には自分が多くの人からもらった愛情を注いで育てていきたいと思います。それは、まだまだ先のことかもしれませんが、照手姫のように私も愛情を持って、たくましく生きていこうと思います。

 

〔3年アドバンスコース Tさん〕
私は、劇やミュージカルが大好きなので、この芸術鑑賞が本当に楽しみでした。古典文学もすきなので、たまに歌に出てくる「おはします」や「たてまつる」という言葉を誰から誰への敬意なのかなとか現代語訳を簡単にですが頭で考えながら見ていました。古典とオペラの融合は初めて見ましたがおもしろくて、でも少し分けがわからなくてハラハラドキドキでした。おぐりがなぜ馬にのることができたのかとか、台詞が難しくて聞き取れなくて悔しかったり、お酒を飲ませておぐりと家来を殺した上に自分の娘も殺そうとしていた横山さんを怒ったり、おぐりの変わり果てた姿に胸が痛くなったり、てるてがおぐりを想って絶対に遊女にならないと言い張るシーンでは人を思う気持ちの美しさを感じました。

私自身がサックスを吹いているので、林田さんのことは知っていましたが、生の演奏は初めて聴いてやはり上手い、上手すぎると思いました。舞台が始まるまでに、サックスが置いてあるだけでテンション上がったのに、林田さんが出てきてもっとテンションが上がりました。でもみんなは知らないので心の中でニヤニヤしている感じですかね。気持ちの問題かも知れませんが、生演奏だと登場人物のその時の感情がもろに伝わってくるなと感じました。

こんにゃく座のみなさんはマイクをつけておられないように見えたのですが、生声なら一人一人の声がよく響いていて本当にカッコよかったですし、迫力がありました。エイサラエイのフレーズが頭から離れません。あのシーンは一番印象に残っています。人を思いやることの大切さ、協力することの大切さを学べた場面だからです。今回の芸術鑑賞も本当に感動しました。ありがとうございました。

 

〔2年アドバンスコース Hさん〕
公演を見るまで、オペラと日本の芸能が融合すると言うことがなかなか想像できずにいた。いざ席についてもそれは変わらず、グランドピアノやサックス、木琴など事前に配布されたあらすじのイメージからは程遠い楽器に違和感を払えずにいた。始まって数分後には映像ではない生の迫力に、そんなことどうでも良くなっていた。特に音を和に寄せたりしている訳でもないのに、マッチしていて、引き立てあっていたように感じる。

音楽が始まって村人と思しき数人が歩いてくる。その足取りは重く、今にも倒れ込みそうで、見えない何かを背負っているようだった。説教師が出てきて、大笠を広げた。この後の場面のところどころに現れる語り手達はみんな笠を被っていた。中央に立ててあった仕切りのようなものが倒されて、そこにある夫婦が上がる。それには傾斜がついており、少し上から俯瞰している風に見える。生まれたときのおぐりは、小さな白い笠で表現されていた。おぐりが成長して、多くの姫を追い返していく、そこでふと気が付いたのだが、オペラだと言っているが、ステージの中央でスポットライトを浴びて高らかに歌ったりするのではない。歩きながら歌ったり、座っていたり、寝そべっていたり。感情豊かに節をつけて語る。詩を詠んでいるようだった。話を聞き終えた人々は再び歩き出す。先ほどとは違い、餓鬼阿弥陀仏を引いた照手姫と同じ足取りで、力強く歩いて行く。一本芯が通ったようだった。きっとそれぞれが、それぞれの苦労を希望を糧に引いているのだろう。

物語はハッピーエンドだったが、村人達の現実はそうはいかない。話が終わればまたいつもの苦しく辛い日々を生きていく。争い、貧困、飢餓に流行病。偉大な俗物にあこがれて生きていく。おぐりが産声を上げたときにひらいた白い小さい笠。あれと同じ型の大きな笠が、ばっとひらけられて公演は幕を閉じた。

 

〔2年キャリアコース Aさん〕
私は、てるての諦めないところに惹かれました。おぐりが父に殺されて理不尽にもてるても海に流されたのに父に対しての怒りより、おぐりの心配をしているところがすごいと思いました。そういう心を持っていたので千手観音に助けられたんだと思います。ここで助かっても人買いに売買を繰り返され遊女屋までいってしまい、二人で幸せに過ごしたかっただけなのに、なぜてるてがこんな目に遭わなければならないんだろうと思いました。ここでもてるてが怒りを表さず、下働きをすると言ったのは、きっと遊女になり他の男の人に触れられるくらいなら、おぐりのことを思いながら十六人分の仕事をしている方が何倍もましだと思ったからだと思います。おぐりが生き返って餓鬼阿弥になったことを知らないのに、必死で店主に休みを貰い、4日間も土車を引き続けたので、てるては本気で人のために行動できる人なんだと思いました。引いた後、辛い仕事から逃げることもできたのに、きっちり5日で戻り下働きを続ける正直さもすごいと思います。元にもどったおぐりが迎えに来てくれて本当に良かったと思いました。

その後二人が幸せに暮らせたのは、ずっと諦めずにおぐりのことを思っていたてるてだけではなく、相模から遠い熊野まで引いてくれた沢山の人達のお陰でもあると思います。最初はおぐりの出した恋文を破り捨てたのに、死んだ後も神様になり二人で一緒に居られたのは、沢山の人の力や、二人の強い思いからだと思いました。生演奏のオペラだったので、さらに感情が伝わり、餓鬼阿弥を引く人々の沢山の気持ちが分かりました。もし餓鬼阿弥がいたなら私も少しでも引いてみたいと思いました。

 

〔1年アドバンスコース Uさん〕
おぐりとてえるてを見てまず自分が思ったのは「純愛」の価値です。「純愛」は相手を思い合うことに始まり、そして相手を受け入れることで終わりを迎えるんだなと思いました。おぐりの気持ちとてるての気持ち、双方共に違う気持ちを持っているにも関わらず、結果として「純愛」というものと繋がるんだなと気づくことができ、二人の愛に感動しました。

そしてまた、おぐりが完全復活を果たすまでの人間同士の愛も感じることが出来ました。他人のために行動する凄さその勇気に感動しました。この作品を見て総合的に思いやりというものの大切さを学べました。

これから自分も相手のためになるような行動、言動をできるよう心がけていき、人に感動を与えられる人間を目指していこうと思いました。初のオペラすごく良い経験になりました。

 

〔1年アドバンスコース Iさん〕
私は、オペラ「おぐりとてるて」を見て、今の私の生活と照らし合わせてみることができました。まず、てるてやおぐりの家来のように人のことを一番に考えて、人のために行動できると言うことです。家来は自分よりもおぐりを生き返らせてくれと頼み、てるては餓鬼阿弥となったおぐりを引きました。私だったら絶対にそんなことは出来ないと思います。私に得の有る方を選ぶだろうし、自分に関係のないことはしないと思うからです。しかし、部活でも全員が人のことを考えたらもっと良いサッカーが出来ると思うし、個人でも皆のことを考えるとプレーも大きく変わると思うので意識していきたいです。

次に、歌や踊りを自信を持ってされていたことです。私だったら、失敗することや人前で緊張したり恥ずかしがったりするからです。皆で歌っているときは出来るけれど一人になると何も出来なくなるので、これからはこんにゃく座の人を見習って楽しんでいこうと思います。

最後に全員の息がそろっていたことです。全員が遠慮せず、ひとまかせにせずに自分の全力で声を出していた。やっぱり一人がどれだけ頑張っても全員の全力には勝てないと思うので、部活でもひとまかせにしないようにしたいと思いました。このような芸術鑑賞という機会にたくさんのことを学べて、たくさんのことに気づけたので良かったです。これからは普段の何気ないことでも吸収できるようにしたいと思いました。

 

〔1年キャリアコース Noさん〕
私は今回の芸術鑑賞を通して、生きることの喜びと、人間という生き物について色々なことを感じた。それはまず、人間という生き物は人の恨みをかい、人を恨んで生きていくのだろうと思った。生きている以上、出会う人すべてと上手くやっていくことは出来ないと思った。例えばおぐりがてるて姫の親から恨みをかい、殺されてしまうという場面でより思いも深まった。そして生きることの喜びは、自分の愛する人と生きられる時間だと思う。おぐりが一度殺されて亡くなったとき、おぐりはなかなかてるて姫に会うことが出来ず、同じようにてるて姫もおぐりに会いたかったのだろうと思った。でもラストのシーンではお互いが出会うところに感動した。やっぱり思い合っている人と会いたいと強く思ったからだと感じる。

そして私は、この作品に勇気をもらった。それは出演者の偉大さだ。あの台詞、歌をしっかりと覚えてプラス、私たちお客さんに伝えようという思いが強く感じられるオペラだった。私はそれが伝わってきたとき、この方々のように一生懸命に一つのことに打ち込んで頑張ろうと思えた。芸術鑑賞を行う意味、目的をしっかりと考えたり、もちろん芸術鑑賞だけに関わらず、いろいろな場面で考えていきたいと思うことができた。

 

〔1年総合コース Niさん〕
僕はオペラ「おぐりとてるて」を見て思ったことは、人をまっすぐに信じる心の大切さと生きる力の凄さです。おぐりが死んだ後もずっとおぐりを想って、人に流されることなく生きていたてるてのたくましさが凄いと思いました。遊女になれば楽で豪華な生活が出来るのに、自分にはおぐりがいるからと言って十六人分の雑用を一人でこなしたことや、おぐりだと知らなかった餓鬼阿弥を運ぶなどすごく自分の事よりも相手や他人の気持ちなどを考えられる優しいひとなんだと思った。

そして、生きる力の凄さは、何度も売られているのに自分から生きることを諦めなかったてるてや、石車にのっている餓鬼阿弥を熊野までの道中に引いた人達のたくましさに感じました。最初は二人で引いていたけれど、そこからどんどん人々が集まってきて繋いでいく、希望を繋いで少しずつ人々の力を集め進んでいくところや、石車を引いているときの「エイサラエイ」という歌も力強くて感動的でした。

今回の芸術鑑賞で誰かを思いやり、信じることの大切さ、生きることのたくましさや力強さを改めて感じました。

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